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大きな魚を
つかまえよう
リンチ流アート・ライフ∞瞑想レッスン
デイヴィッド・リンチ
草坂虹恵 訳
2012年4月20日刊行
ブックデザイン 服部一成
A5変型・並製・224頁(本文挿入写真22葉)
サイズ:天地210×左右128ミリ
定価:本体1800円(税別)
ISBN4-87746-112-6 C0074

リンチさん、一体どうやってひらめいたんですか?

謎めいた映像で人々を魅了してやまない著者が、どんなふうに作品が発想されたのかを説き明かし、パワフルに創作する秘訣──長年実践している「瞑想」の効用を語り尽くす。若きクリエイターへの心を込めたメッセージ!

【著者に寄せられた言葉】
クリント・イーストウッド
私はこの瞑想法の熱心な支持者です。これは誰が持っていてもよい、ストレス解消ツールとして活用できる最適な道具です。
ポール・マッカートニー
困難な時代でも、瞑想は僕が安らぎの時を見つける手助けになった。若者が静かな避難所を心の中に育む手助けにもなるだろう。

デイヴィッド・リンチ(David Lynch)
1946年1月20日モンタナ州ミズーラ生まれ。高校卒業後オスカー・ココシュカに学ぶべく渡欧するが、まもなく帰国。フィラデルフィアの美術学校で習作づくりに励む。1971年アメリカ映画協会の奨学金を得て、『イレイザーヘッド』製作に着手。5年を費やして完成した本作で映画作家の地位を確立。以降、非伝統的なアプローチで物語映画を刷新し、カリスマ的人気を博す。その作品群はスモール・タウンやカリフォルニアの無秩序に広がる大都市を舞台とし、夢魔的イメージと精巧なサウンド・デザインで知られている。『エレファントマン』『ブルー・ベルベット』『マルホランド・ドライブ』で3度アカデミー監督賞にノミネート。2006年意識に基づく教育と世界平和のためのデイヴィッド・リンチ財団設立。2007年パリで「THE AIR IS ON FIRE」展開催。2011年アルバム「CRAZY CLOWN TIME」発表。近年、同時代の映画監督ベスト1に選ばれ(英・ガーディアン紙)、過去10年の最も重要な映画1位に『マルホランド・ドライブ』が選出(NY・タイムアウト誌)されるなど、新作を期待する声が高まっている。

【訳者】草坂虹恵(くさかにじえ)
東京生まれ。映画研究。論考に「アクション監督小津安二郎! 『彼岸花』の身体演出とカットつなぎ」「追いかけっこと転生 ジャン・ルノワールの映画の規則」「真っ暗闇を突き進め マーティン・スコセッシの盲者盛衰史」「罪人が聖者になる時 クリント・イーストウッドの極私的尊厳論」他がある。

あのスティーブ・ジョブスがバイオグラフィの中で体験を語ったり、内田樹さん、前田日明さんがヨガ行者の成瀬雅春さんとの対談本(『身体を考える。』『男の瞑想学』)を出したり、須藤元気さんがテレビでその魅力を話したりと、近年、瞑想を語る言葉が多く見られます。3.11以後、もう一度、心と体を見つめ直そうという機運が高まっているのではないでしょうか。

本書では、瞑想を30年来の日課にしているリンチ監督がその効用──ストレス解消効果と独特のアイデア術を、映画づくりの体験から説き明かします。リンチ監督の映画には、意想外な事物が底辺でつながっているという作風が多いのですが、これまでその背景には、シュールレアリズムの影響があるとされてきました。リンチ自身、シュールレアリストであることを認めています。ところが本書では、リンチ流シュールレアルが、実は瞑想の理論と体験を根拠にしているのだと語っています。本書の最大の読みどころは、一連の謎めいた作品を成立させる、その発想法にあると言えるでしょう。

瞑想には様々なやり方がありますが、リンチ監督が取り組んでいるのは、ビートルズのメンバーやクリント・イーストウッドも実践する瞑想法、TM(超越瞑想)です。リンチは瞑想の素晴らしさをアピールするため、2006年にデイヴィッド・リンチ財団を設立します。ポール・マッカートニー、クリント・イーストウッドは、この財団のベネフィット・イベントにメッセージを寄せています(本書に一部収録)。彼らに共通するのは、精神世界探求という深い意味ではなく、スッキリして、フレッシュな気持ちで創造できるから瞑想するというセルフ・ケアの態度です。西洋では元々、どんな宗教の人でも実践できるリラクゼーション法として、瞑想は普及しました。リンチのように、ドラッグに変わるオーガニックな内的体験を求めて、学ぶ人も多いと言われています。

瞑想のことは体験者でなければ語れないと考えがちですが、リンチ監督の発想法そのものは、恐らく誰にでも楽しめるはずです。ちなみに小社においても、また訳者におかれましても、体験者は残念ながらおりません。そのため瞑想の内容は、取材の上、客観的な記述を心がけました。瞑想したければ、最寄りのヨガ・スタジオに通うのもいいし、リンチの教えにしたがって、TMを習うのもよいでしょう。いずれにしても、小社は、純粋なリンチ愛から本書をつくりました。広くアートと瞑想の関係を語った本として、ご覧いただければ幸いです。

リンチ、アートとライフ、瞑想を語る
四月社 赤塚成人

個性も作風も異なる2人の映画監督──デイヴィッド・リンチとクリント・イーストウッドが同じ瞑想をしていると聞いて、驚かれる方も多いでしょう。しかもそれが、ビートルズもハマった瞑想法だというのですから。この瞑想法はストレスに効くと高い評価を得ており、科学の分野でも立証的研究がなされています。福利厚生の面から、日米の大企業が社員研修に取り入れたこともあります。やはり瞑想すれば、世界もスッキリして見えるのかもしれませんね。

ビートルズのポール・マッカートニーとクリント・イーストウッド監督は、もう40年以上瞑想を続けています。リンチ監督は30年以上続けています。彼らは今も第一線で活躍するクリエイターです。その彼らが生活習慣に瞑想を取り入れていることは、日々のプレッシャーに打ち勝つ「技術」として、これが極めて有効であることを物語っています。だって誰かに強制された訳じゃない事柄を、人生の半分の歳月も続けるなんてできない話ですから。

彼らはストレス解消法の1つとして、瞑想を始めました。でも私は密かに、それぞれの作品にも、瞑想の影響は表れてるんじゃないかと考えています。イーストウッドもリンチも、静かでひっそりとしたストーリー展開の中に、何か深いものが浮き出てくるという作品が多いですよね。個性も作風も異なるものの、雰囲気はどこか似通っている。そこには、瞑想してる人間のメンタリティが投影されていると思います。彼らのように、長い歳月プレッシャーをはねのけ、深く心を揺さぶる作品をつくり続けるのは、並大抵ではないでしょう。彼らのキャリアを「内側」から支えているのが瞑想なのです。

本書では、物語を発想し集団を創作行為に導く上で、瞑想がいかに大きな役割を果たしているかを、平易な言葉で説き明かします。皆さんもお分かりのように、リンチ監督はイジワルですから、謎めいた作品の意味も瞑想のやり方も、ここでは教えてくれません(企業秘密なのかもしれませんね!)。でもそれ以外のことは、実に熱心に教えてくれます。作品をどんなふうにひらめいたのか。瞑想するとどんなに頭が冴えるのか。若きクリエイターへの励ましのエールも、熱い響きがこもっています。本気で創作したい方、ディープな作品をつくりたい方、自身の内側に降りて大きな魚(=アイデア)をつかまえたければ、ぜひ本書をご一読ください。

【取扱注意】
これはスピリチュアル本ではありません。瞑想はダイエットやヨガのように「ジブンに効く」技術です。書店様におかれましては、新刊、芸術書、海外エッセー・コーナーでの展開をお願いします。ロングセラーの姉妹本、ロバート・ヘンライ『アート・スピリット』(国書刊行会)との併売もお薦めです!

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