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文芸時評という感想
荒川洋治 著
四六判・上製・344頁 定価:本体3200円+税
ISBN4-87746-097-7
最近12年間書かれた文芸作品についての、感想文をつづったものです。会話では「明日またね」ということがありますが、感想には「次の機会」はありません。いま書こうと思ったことを、書くようにしました。
産経新聞に掲載された「文芸時評」は、12年ものあいだ書き継がれてきた連載評論です〔2004年完結〕。批判精神がきらめく、全149編。なかでも、大江健三郎のノーベル賞受賞、宮沢賢治ブーム、相田みつを現象について記された挑発的な文章は、社会的にも大きな論議を呼び、《文芸評論家・荒川洋治》の存在を世に知らしめるきっかけになりました。同連載をまとめた本書は、ここ10年来の文学シーンに多大な影響を与えてきた著者の深まる思索を記録した、記念碑的な織物です。
高橋源一郎氏「ニッポンの小説」より
ぼくは、『文芸時評という感想』を読んで、深い深い感銘を受けた(ほんと)。(…)荒川さんは、1992年から2004年まで、小説というもの(文学というもの)が行ってきたことがなにであるかを明らかにしようとした。『文芸時評という感想』は、12年間にわたる、「ニッポンの小説」の、最良の定点観測の記録なのである。(『文學界』連載、2006年1月号)
★高橋さんは同誌において、連載一回分を費し本書に論及されています。
中島梓氏『夢見る頃を過ぎても』より
産経新聞の時評で(…)荒川洋治が大江健三郎について言及している文章を読んだ。これは非常に率直で読みごたえのある時評であった。トクをした気分だ。(ちくま文庫、1999年)
筒井康隆氏『筒井康隆の文藝時評』より
この人は詩人の感性で時おりとんでもないものや、特にわけのわからぬものを褒めたりするが、吉田知子「常寒山」の批評には感心した。全批評家のお手本にしたいような批評である。詩人の感性で小説の文章そのものに感情移入すると、こういうすばらしい批評文になる。(…)おれの文芸時評は今回で終り、次の筆者は当然編集部で選ぶのだろうが、希望を言えばこの荒川洋治氏あたりに勝手放題好き気まま、詩人の感性による感情移入の批評をやって戴きたいものである。(河出書房新社、1994年)
小浜逸郎氏「小説衰退後の様式期待 文学の必要」より
詩人の荒川洋治が文芸時評で、「すでに『文学部』のなかでは、文学が消えている。それが現実。このままだと次は『文芸誌は必要か』。近い将来には『文学は必要か』となるはずである。/ぼくにはそんな日が一日も早く来るよう期待する気持ちもある。日本が『経済』『政治』『情報』『国際』『福祉』だけになった社会とはどんなものなのか。勉強のために、見てみたい」と書いている(産経新聞11月1日)。荒川洋治という人は「裸の王様」に登場する子どもみたいなところがあって、ずばりと物事を言ってのけるところが頼もしい。文学の衰退を感傷的に「嘆いてみせる」のでなく「勉強のために、見てみたい」という言葉がなかなかいい。(北海道新聞1998年11月6日)
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